変身を私はこう読む

ある日虫に変身した主人公は、心身障害、病気、認知症など、家族にとって負担になった家族の一員。負担な存在へ変身した家族を、他の家族はどう扱うか?それが、綺麗ごと抜きで描かれていると思う。

変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)

カフカの書き方

カフカの書き方

上記の本P72から引用。
カフカの長編『審判』、二十世紀の小説に大きな影響を与えた有名な書き出し。それをまず見ておこう。『だれかが謗ったにちがいない。悪事をはたらいた覚えがないのに、ある朝、ヨーゼフ・Kは逮捕された』
日々感じる日常の不条理が描かれている。
上記P62から引用。
カフカが『失踪者』を書いた1912年は、(略)わが国でいうと、石川啄木が『悲しき玩具』を、島崎藤村が『千曲川のスケッチ』を出した。翌13年には、D・H・ロレンスの『息子と恋人』、プルーストの『失われた時を求めて』第一巻があらわれた。そんな時代にあって、フランツ・カフカ作が、いかに異質であり、異様な小説であったあことか」