実学のススメ

どれほど倫理学や哲学を学んでも、人間いざと言うときは、よほどの信仰心でもないと、自己保身のために人を傷つけるのが人間の性分ではないでしょうか。

例えば、肉親が鬱病になって、明るかった人が人格豹変、「どう接したらいいのか?」

倫理学や哲学も吹っ飛ぶ腹立ちに感情的になったりして。「こんな人だったの?私が好きだった肉親はどこへ行ったのか?」戸惑う場合。

心の病といえど、その人の性格が悪いのではない、脳も胃など、臓器の一部。脳の伝達物質の異常、もしかすると、脳そのものに、器質的変化もあるかもしれない。
(7月30日放送のNHKEテレ サイエンスZEROで、鬱病は脳の神経細胞の軸索の長さが短くなっているという仮説を紹介していた)そんな科学的根拠が理解できる医学という実学が理解できたら、腹立ちも悲しみも割り切れるかも。

だって、白血病の人に、なんでもっと速く走れないのと、ハッパかける人がおりましょうか・・・?

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

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でも、実学でないものも、必要です。例えば、内田樹先生は、「ニート児童虐待も、ビジネスモデルの一般化が影響している」(この解釈は間違ってないよな?)と喝破。

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

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