中国の若者

春近くに、アパートの隣の部屋に中国人の若者(25歳だった)が越してきた。引越しそうそう友人と笑いころげていた。えらく明るい若者が越してきたものだと思った。

鼻歌を歌いながら、帰って来たのを聞いたこともある。とにかく、隣の部屋でよく笑っている。

話してみると、現代中国の留学生に多いタイプで、日本人のネイティブかと思うくらい日本語はうまい。

「中国は本当の共産主義ではない。中国で革命が起きるかもしれない」現代の若者らしく、「100年かかることを、10年でやれば、金持ちになれる」とも言っていた。

仕事を辞めたのか、一ヶ月近く、夜遅くまで勉強している様子だった。ある夜自分が帰って来ると、新品のダンボールが置いてあった。引越しするなと思った。引越し先の住所を聞いても、彼には可能性と未来がある。自分とは違うと思ってやめた。

翌日、彼の白い自転車も一緒に、アパートから去っていた。