残された家の記憶

このドラマで語られる台詞 「建築の真髄は、その空間にあるのです」 その極意は「建築の空間で人がどんな記憶を残したかが大切」なのだということ。

以下のこのドラマのあらすじの紹介を読むと、単なる韓国のメロドラマなのだろうが、私にとっては、単なるメロドラマではない。
残された家 - チャジョンゴに乗って
http://www.yakkunchi.com/review/openended.html
末期癌でありながら明るいヒロインの強さと、彼女のために死んだ父親が残した廃屋をリフォームしていく男の優しさが、メロドラマ以上の感動になった。

女は「この家では死にたくない」と言う。「この家で死ぬ記憶を残したくないから」。
だから、死んでいく女にこの家を与えた男が戻った時、その空間には、幸せな思い出だけが残った。

今日引越しをした。これまで住んだ部屋の中で、最も広く綺麗な間取りだったアパートから。
玄関の外灯、ウォークインクローゼット、北側の窓の外には青空と雲と田園風景、ヒバリの鳴き声と夏の夜には蛙の声。

でも、幸せではなかった。
部屋を飾れば幸せな気分になれるかと、インテリアにお金をかけても満たされなかった。

心の中が充実して幸せでないと、外が綺麗でも、幸せにはなれない。

今日から住む家は、幸せな記憶だけを残せるように努力したい。